『会社を強くするキャッシュフローと損益分岐点の見方・活かし方』

2013/04/30

財務の初歩的な参考書として買ってきた本。

SOOLで経営できる人材を育成していこうという話になり、若手には、まず単年度・単一商品の採算性を理解できるようになって欲しいので、P/Lに特化した本を探したらこれになった。

本屋で見比べてみたところ、財務の入門書は三表(P/L、BS、CF)の総花的な解説本が多く、意外にシンプルに損益にこだわった本がない。

利益の考え方を多面的に解説

この本は、商売の基本となる「限界利益」に紙面を割いて、売上目標や固定費管理、値引き交渉、内製・外注などの古典的な考え方を順次とりあげている。

限界利益をテーマにすると、自然に一つひとつの取引を真剣に考えることになるため商売の基本が身につくのが良いと思う。

また、利益は大きい方が良い、というシンプルな価値判断も初心者には分かりやすいポイントだろう。

後半の3分の1ほどは、資金繰りの観点からのキャッシュフロー経営の考え方を解説している。

必ずしも初級テーマとは言えないがひねったテーマというほどでもないので、健全経営をひと通り理解する目的で良い組み合わせだと思う。

この範囲の学習だと、製造業・流通業向けの知識にとどまるが、サービス業や知識産業の理解にもここを通過する必要があるので軽く乗り越えたいところ。

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