企業のホームページは、費用対効果の高い販促ツールとして今後とも筆頭候補の座を占め続けるだろう。
販促マーケティングでは、認知努力をいかに途切れることなく継続できるかがカギとなる。
一方で、おおくの企業ホームページは、ごく稀に全面改訂されると後は長期間放置されている。
デザインを重視して制作会社に依頼、またはそれすらはしょって器用な社員が作成、という流れをとると、こうした症状に陥りやすい。
いっときの作りやすさを優先するとHTML直打ちで制作してしまいがちだが、いまや公開後の更新運用を重視するとCMS(コンテンツ管理システム)の利用は必須と言える。
自前運用ならWordPressが手軽
CMSといっても、ブログツールのデザインをカスタマイズしたもので十分運用できる。
大企業向けのCMSでは、公開までの承認ワークフローをがっちり実装したものやプログラマブルにコンテンツを表示するポートレット(小窓)などがあるが、ネタを作る体力そのものが不足しがちなスタートアップはシンプルなブログで足りる。
企業ホームページは徹頭徹尾チラシであればそれで良い。
Web2.0と言われていた2005年頃は、ブログもCMSも乱立していたが、最終的に今や WordPressが決定版として残った。
テンプレートやカスタマイズ情報資産の量でWordPressが妥当な選択肢だろう。
意外に高い自前運用の条件
WordPressはデファクトなので、メリットも多いが実はリスクもある。
一番使われているツールのため、アタックされる可能性も高い。ソフトウェアじたいの更新など、ある程度テクニカルな運用が結局必要になる。
インストールは本と首っ引きで何とかなるかもしれないが、立ち上げ後のトラブルに備えるためにはデータベースの初歩的な知識を持っていた方が良かったりする。
少なくともバックアップくらいはできないと、万一サイト改竄をされた場合、専門家を呼んでも復旧できない可能性も大きい。
キャッシュアウトこそゼロ円だが、企業によっては高くつきかねない。
専任不在の企業では、ツール+サービスのパッケージ型が有効
多くの中小企業では、Web周辺の知識をひと通り身につけた人材を確保できていないケースも多い。
とくにリアルビジネスの場合、技術的な知識は競争要因ではないから、常設組織を置きづらい。
最低限のエンジニアを持てない状況であれば、初期立ち上げを安価に実現でき、サポートもしっかりしているホームページ作成サービスなどを利用した方が安心だろう。
ソフトウェアは優勝劣敗が進むから、先行顧客基盤を持つサービスがけっきょく残るだろう。
企業ホームページは最終局面
中小企業では「IT=ホームページ」の傾向は強い。
IT分野はドッグイヤーと言われるとおり目まぐるしく移り変わっていくが、ホームページについては淘汰が進んで、市場はほぼ最終局面まで来ている。
従来よりは見通しは良くなったのだから、いよいよマーケティング活用する段階に入りつつある。