このたび、 ユニコーンリサーチ株式会社という法人を創りました。
IT産業のとなりにTI産業という新しいビジネスを創れるのではないか、と思ったしだいです。
TIというのは、Technology-based Intelligence だと思っています。
ただ、ITをひっくり返したかった、というところから来ているんで、正直何の略でも良いんだけどね。
TI産業というのはまだ存在しないものだから、それ自体について述べてもたぶん現実味がないと思うのです。
何しろまだ何も作ってないからね。
むしろ今日この時点では、TIに至る問題意識の方に焦点を当てた方が分かりやすいように思います。
なぜユニコーンリサーチができたのか、という方だね。
ご明察のとおり、要するにITが行き詰まってきている時代背景があるだろうと見ています。
ITはInformation Technologyだから、つぎつぎと最新技術を売っていく産業です。
おおくの技術は、登場直後こそ付加価値が高い市場になるものの、普及と進歩が進むとどんどん陳腐化していくものです。
ITも1960年代に登場して以降、20世紀の間は付加価値が十分高かったと思います。
パソコンが出てきて21世紀に入ってからだね、景色が変わったのは。
パソコンがどんどん速くなって、とても安くなった結果、販売台数こそ伸びても市場は伸びなくなりました。
技術が安くなるのは、人類にとってはプラスです。利用シーンは今後もますます広がっていくことでしょう。
注意すべきなのは、「作る」ことよりも「使う」ことの方がより重要になった、という変化です。
僕自身はITメーカーからキャリアをスタートしたから、「作る」ことで企業が成長していけないか、ということはさんざん考えました。
でも時代の潮流には逆らえないよね。
だからいま、潤沢なITを使って、より賢くなることこそ未知の原野なのではないかと考えます。
今後、幸いにしてTI産業というものが立ち上がったとして、ここで述べたような時代背景はあっという間に過去のものになるでしょう。
それでも、賢くなるための努力、というテーマは不朽の夢と希望をたたえ続けるように思えます。
2013年6月20日 中馬崇尋