スマホWebの現実的ストレス緩和策

2012/04/15

スマートフォンのキラーアプリは何と言ってもWebだろう。
ただスマホWebは、シンプルだが重大な課題を積み残している。
それは「まともに表示できるサイトが少ない」ということだ。
スマホでWebを見る際に、ダブルタップしたりピンチ操作で拡大・縮小することは、当たり前の操作になってしまっている。
現在のスマホWebは、PCサイトを虫眼鏡でのぞいているような状況と言える。

横幅の解像度がカギ

急角度で結論めいたことを提示したい。
要するに、スマホの 横幅の解像度(液晶のピクセル数)が最大の制約 になっている。
縦の解像度は制約が小さい。
なぜなら、ひとつはスマホは縦長なので横の方がピクセルが少ないということ、もうひとつはそもそもブラウジングは縦に続く(スクロールして見る)ことを前提にしているからだ。
縦解像度は、情報をどこまで一覧できるかという快適さにのみ影響すると思う。

横解像度の比較

PCの液晶は2,000~1,280px(ピクセル)が標準的になっているため、PCサイトも1,000px程度の解像度向けに作られている。
一方、スマホ側の解像度を調べてみると、以下のような状況になっている。

  • 2012年
    • HTC One X: 720px
    • Xperia P: 540px
    • Galaxy Note: 800px (pentile)
    • 一部の日本メーカー製品: 720px
    • その他日本のAndroidスマホ: 540~480px
  • 2011年
    • iPhone 4S/4: 640px
    • Xperia arc/acro: 480px
  • 2010年
    • Galaxy S: 480px (pentile)
    • iPhone 3GS/3G: 320px

iPhoneとAndroidでは事情がやや異なる。
iPhoneは3GSから数えた2年契約のサイクルを前提とすると、昨年320pxから640pxへの移行がある程度進んだと考えられる。
Androidは昨年の爆発的な普及で、480pxの機種が圧倒的主流となった。 今年はハイエンド端末で720pxの製品が出てくるが、ミッドレンジ以下では480pxが主流として残りそうだ。

Web重視なら横解像度に注目

スマホWebの解決シナリオのひとつは、Webサイト制作者が横480pxのサイトを作ることだ。
ただ、これは時間がかかるだろう。
ユーザー側で状況を緩和する手としては、横解像度の高い端末を入手してよりPCサイトを見やすくすることが有効そうだ。 物理的な大きさにも限界があるのでクリアな解決になりづらいが、少なくとも解像度の低いスマホでは文字がつぶれて読めないケースは続くだろう。

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